
マンションの背景
日本では、伝統的な長屋というものがあったが、マンション(共同住宅)は比較的新しい。
その為共同住宅での生活慣行が十分成熟せず共同居住のルール作りが不十分のままマンションが急増し日常生活のトラブルが絶えない。
このままでは生活の安定を損なうほか周辺地域の住環境にも支障をきたすことになる。こうした背景のもと、マンション管理適正化法が制定された。
平成14年末においてマンションのストック戸数は、427万戸、1000万人の人が生活していると推計されます。
※ ここで言うマンションとは、中高層・分譲・共同住宅で鉄骨・鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート造をいう。
マンションも年月とともに劣化が進み,築30年というと2回目の大規模修繕の時期となる。場合によっては不本意ではあるが建替えも視野に入れた話し合いがなされる。
ところが現実は、建替えの話し合いがなされてから10年経っても管理組合で合意形成が出来ない状態になっているマンションも少なくない。
これは居住者の高齢化、建替え資金不足など短期間では解決できない問題が多くある。
新築時から計画的に考えるべき問題であるが、居住者の知識不足により管理会社に依存しているのが実情である。その管理会社もただ管理費の徴収、清掃など日常の作業のみで長期的な計画の下に管理修繕がなされていない。その結果30年して付けが廻ってきた格好になる。一番困るのは、管理業者ではなく所有者本人達である事がなかなか理解されない。国としてもその辺を危惧し、マンション管理士という国家資格者を育成し、やっと動き出した状態である。
管理の現状と課題
(1)居住者の住まい方に関しての理解不足
ペットに関するトラブル・生活音に関するトラブル・水漏れ・バルコニーに物置設置
などの使用方法・違法駐車
(2)管理規約、修繕計画の未整備等
管理規約の内容理解不足・雨漏り、外壁補修など修繕積立金不足・管理費滞納者への
対応駐車場不足などの問題
(3)管理業者に関する安心感、不信感
管理会社に60%の人が満足している。普通30%をあわせると90%の区分所有者が不
満を持っていない、こととなり少し首を傾げたくなる調査結果が出ている。
管理組合の役員選任方法は「抽選、順番」。
任期は「1年」が最も多い。ただ前回より減少「2年」が増加してきた。
(1)マンションの管理に対する意識
●マンションの管理規約周知状況について「知っている」が87.4%
でも国土交通省が作成した「標準管理規約」に準拠している管理組合は、56.2%と
なっている。
(2)マンションの居住に対する意識
マンションの永住意識について「永住するつもり」が48 %
「いずれ移転する」が26.5%。
(3)マンションの管理業務委託に対する意識
●管理組業務の委託状況は「全部管理会社に委託」が70%。
「一部を委託」が15%。
「組合による自主管理」が7%となっている。
●管理会社への委託意向は「全部管理会社に任せたほうがよい」が7%。
「管理は管理会社に任せても良いが、その方針は管理組合で決めるべき」が73%。
●管理費は、1戸当り平均12,565円/月で前回の11,109円/月から13.1%増加している。
●マンション管理士を顧問としているマンションは19.1%あり、まだ3年の国家資格
にしては意外に多いのには驚いたと同時に、悩めるマンションがたくさんあるのだ
と感じた。
(4)マンションの修繕に対する意識
●長期修繕計画作成について、区分所有者の98%は,その必要性を認めている。
又83%の管理組合が作成している。
●修繕積立金制度のある管理組合は97%で、長期修繕計画に基づいているのが77%と
なっている。
●修繕積立金の平均は、一戸当り9,066円/月、前回調査より22.9%増加している。
管理の現状と課題
■マンションの管理の適正化の推進に関する法律